これからの日の出屋クリーニング
私の幼少期は、いつも洗濯機が回る音と白い湯気が一緒でした。家の隣に工場があったので、下校後はすぐ足を運び、従業員の女性たちに可愛がってもらったり、一緒にタオルを畳んだりして過ごしていました。
そんな家業を、自身の仕事として意識したのは27歳。当時、私は製薬会社に勤務していたのですが、父が60半ばになり、会社の将来を考えるように…。「子供の頃から愛着のある家業がなくなるのは寂しい。父や祖父が100年守り伝えてきた家業を次世代につないでいきたい」と思い、後継を決心しました。
楽しい思い出ばかりの工場でしたが、実際の仕事は厳しいものでした。近年は礼服やおしゃれ着を着る機会が減ったこと、家庭用洗剤が普及したこと、コインランドリーが増えたことなどでクリーニング受注が減っています。また産業人口の減少により、人材確保や人材育成が難しいなど問題は山積しています。
こうした問題の打開策の一つとして、当社では平成29年にダスキン社と業務提携し、ユニフォームクリーニング事業をスタートさせました。私は全国50数社ある協力工場の一員として、ブロック会議や勉強会に参加しながら、大手の組織運営やコロナ時代の衛生管理を学んでいます。
クリーニング業界を取り巻く状況は依然、厳しいものと思われます。当社では「企業は人なり」を念頭に、社員の技術力の向上と均一化を図りながら、業務の効率化を進めていきたいと考えています。そしてこれからも「お客様に美と清潔をお届けする“縁の下の力持ち”」としての責務を果たしてまいります。
今後ともご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。